Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「これはこれは思いもよらぬ、お心に掛けられたるくだされ物、有難く頂戴仕ります」
その時莞爾に笑いながら、副使格の乙女が膝を進めたが、
「我が身は木曽家奥向きに仕える、中老松風と申すもの、義明君の奥方様より、あなたへと申してくだされた物、いざお受け納めくだされますよう」
云いながら後の五つの行李を、前へ押すように会釈をしたが、ものの云い振り艶かしく、笑った顔に千両の媚あり、洗い上げた美しさ、身惚れてポッとしない奴は、白痴か木石か? それにも拘わらず地丸左陣は、ニコリともせずただ真面目に、
「なになに木曽殿奥方様より、この私へくだされものとな、これはこれはご丁寧に、何んとお礼を申してよいやら。遠慮なく頂戴仕りまする」恭しく一礼をしたばかりである。
「いやナニ地丸左陣殿、松風は某の妹でござるよ」落合内記は笑いながら云う。
「おおおおさようでござったか。ご兄妹にて使者のお役目、ご苦労千万に存じます」
云いながらポンポンと手を拍った。隣り部屋から返辞があって、すぐに襖がスーと開き、手下が一人顔を出した。
「長の道中、お使者にはさぞお疲労れにござりましょう。別館にてゆるゆるお休みくだされ……これよ運八、粗忽なきよう、お二人様をご案内致せ」