Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate

Aozora Bunko

この首黙って渡すとしよう」

「ウム、面白いその相談。承知致した。いざ参れ!」

数馬は颯と太刀を抜き、ヒタと下段に構えたのであった。

坊主之助は身を翻えし、百歩の彼方に飛び退った。

双方キッと睨み合う。

「ヒェーッ」と鋭い掛け声が、裂帛のように響き渡り、坊主之助の右の手が頭上に閃めくと思う間にさながら一本の棒のように続いて飛び来る十個の飛礫! 小太刀潜入飛燕の術もこの手練には施す術なく、最後の一個が数馬の足の膝頭にはたと当たったのであった。

「いかに※(感嘆符疑問符、1-8-78)」と、百歩の彼方から、坊主之助が声を掛けた。

「…………」

数馬は黙って首を垂れた。

「坊主之助の飛礫の秘術、恐らく会得されたであろう。そのような未練の腕前で拙者を討とうとは笑止千万、なかなか首は進上されぬ。当たった所が膝でのうて眉間であったら何んとする。汝の命は絶えたであろうぞ……しかし玄斎坊主之助は卑怯に逃げも隠れもせぬ。来年再びここで逢おうぞ。同じこの日にここで逢おう。それまで拙者も諸国を巡り練磨に練磨を積む考え。汝も充分修行致せ――最初の約束、これでおさらばじゃ」

そのまま悠々と坊主之助は山を下って去ったのであった。