Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
輿の中へ
それは老女の声であった。
「誰?」と姫は訊き返した。「ああお前は織子だね」
「はい、さようでございます。開けましてもよろしゅうございましょうか?」
輿の中へ
「ああいいとも、はいっておいで」
やがて老女がはいって来た。それは大奥の取り締りをしている、織子という女であった。
「何か用なの?」と姫は訊いた。
「はい、他でもございませんが、里から参りました鳰鳥とかいうお方に、山津主様がお目にかかりたく、召し連れ参るよう申されましたので」
「ああそうかえ」と姫は云ったが、チラリと鳰鳥を振り返った。「ではね、少しの間待っておくれ。ちょっと化粧を直させますからね」
織子が部屋を出るのを待って、姫は部屋の戸へ錠を下ろした。
「また誘惑が参りました。でもご心配には及びません。いい幸いでございます。妾が身代りに参りましょう。山津主が呼ぶのではございますまい。父が呼ぶのでございましょう。いやな父でございますわね。……さあ着物を取り換えましょう。妾があなたの着物を着、父の面前へ出て行きます。そうして父を叱ってやります。びっくりすることでしょう。ほんとにいい気味でございますわ」
「でも」