Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
岩山の洞の国
ではどこへ行こうかしら? おおそうそうこんな時に、遠耳秘法を講じて見よう」
そこで彼女は大地へ坐り、堅く両手で耳を抑え、額を地面へ押し付けた。
すなわち耳を抑えたのは外間の雑音を聞かないためで、額を地面へ押しあてたのは、それを伝わって聞こえて来る、遠方の物音を聞くためであった。とは云え普通の人間がそうやって両手で耳を抑えそうやって額を地に付けたところで遠方の音は聞こえない。それを聞くにはそれだけの、心の用意がなければならない。すなわち倶係震卦教の深い教理を知っていなければ、行ったところで無駄なのであった。
しかし鳰鳥にしたところが、教理には達しているものの、修行体得はしていない。で、物音を聞くことは出来ても、その詳しいところまでは解する事が出来なかった。
「西にあたって人声のするのは、恐らく人家があるのだろう。南は濶然とひらけている。さて北は鬱々として何んの物音も聞こえないのは、山また山があるからであろう。おや、女の泣き声がする! 一人ではない二人らしい! 手近の所で泣いている。そうして方角は東南だ!」
彼女はそこで立ち上がった。
難解な倶係震卦教をたった今しがた伝授され、ものの半刻と経たないうちに、ともかくもこれだけ応用出来たのは非常な天才といわざるを得ない。