Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate

Aozora Bunko

換え玉を掴んで

換え玉を掴んで

「まあ恐ろしくザワザワすること」

鳰鳥は呟いて耳を澄ました。

彼女は姫の寝室の氈の掛かった寝台の上に、疲労れた体を横仆えていた。

「美麻奈さんはどうしたろう? いつまで待っても帰って来ない」彼女はちょっと不安になった。「なんて無邪気な性質なんだろう。態は立派な娘だけれど、心は全然赤ちゃんだよ」微笑みたいような心持ちをもって、彼女は姫のことを考えた。

姫は帰って来なかった。城内は益※(二の字点、1-2-22)騒がしくなった。不安の気が感じられた。

「おおそうだこんな時に、遠観術を験してみよう」

彼女は施法に着手した。寝台の上へ起き上がり、膝を揃えて端坐した。それから軽く瞑目し、咒文を唱え印を結んだ。

咒文を唱え印を結ぶ! これは大切なことであった。咒文とは真理の精粋を、短いリズミカルの文にしたもので、咒文の解剖を行ったら、大部の書籍さえ出来るのであった。印を結ぶということは、自己催眠の手段であった。微妙を極わめた複雑の印を、繰り返し繰り返し結ぶことによって、分裂した精神を集めることが出来た。

遠観術すなわちクレボヤンはまた、今日のいわゆる催眠術要素を、きわめて多量に持っていて、千里耳、縮地法を加味したものであり、千里を離れた目的物の、情況を知るところの術であった。