Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
虚空に虹の橋
ワッハッハッ――と笑う声さえ物凄く空に響き、そのままプッツリ消えると共に、お三も五右衛門も火の吹筒も星にまぎれて跡形なく、ただ習々たる秋風が夜空を渡るばかりである。
虚空に虹の橋
その翌日のことであった。
お師匠様のお迎えにと、才蔵は庵を昼頃出て、秋野を歩いて城下の方へ、暢気そうにブラブラと進んで行った。ああ秋の野の美しさ! 昨夜の雨に濡れそぼち萩はなよなよと露にたわみ、薄は銀の穂を延ばし、水引の花は紅に、芙蓉の花は薄紅に、竜胆の花は空色に、雑草の間に間に咲き乱れ、風に乗せられて匂うのは、木犀の香か睡蓮の香か、時雨のような虫の声は、一足ごとに音を高め、ムラムラパッと飛び立つは、稲田を追われた群雀、野川が白々と流れる中に、渋鮎サッと水を切り、そのまま岩に隠れるさえ、秋の寂しさを誘って行く。
放し飼いにした伊那駒が、秋天高く馬肥える、今日この頃の野のように、長い鬣を顫るわせて、さも勇ましく駆けている。秋にふさわしい光景である。
野川の畔に寝そべった二匹の黒駒はその中にあって、病にかかってでもいるのであろうか、衰え果てて動こうともしない。
才蔵は野原の草を分け、お師匠様のお姿が見えはせぬかと眼を配り、足を早めて歩いて行く。