Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
水晶山の脱走
「三十人ばかり一団となり……」
「で、どいつが煽動者だ?」
「角太郎と云う小童で」
「角太郎? 知らないな」
「そればかりじゃごぜえません。飯場の女達も逃げかけやした」
「飯場の女達? これは驚いた」地丸左陣は苦笑する。「やはり角太郎が煽動したのか」
「へえどうやら、そうらしいので」
「とにかく逃げた人足と、逃げかけた女とを一つに集めろ」
「へえ」と云うと一礼し、鳥市は部屋を出て行った。
地丸は衣裳を着代えると、小刀を手挟み大刀を提げ、手下二、三人を後ろに従え、中庭の方へ足を向けた。中庭には人足と飯場女とが五十人余り珠数繋ぎにされ、ズラリと一列に並んでいたが、地丸左陣の姿を見ると恐怖の表情を颯と浮かべた。
地丸はズラリ一通り彼らの様子を見廻わしたが、
「鳥市、鳥市、ちょっと参れ。煽動者角太郎とはどの男だ」
「へい」と云うと鳥市は、人足側の一人の男を、さも物々しく指さしたが、「お頭、この男でごぜえますよ」
「そうか」と云うと地丸左陣はその男の側へ近寄って行ったが、その男の様子をじっと見る。なかなか立派な男である。高貴の相を備えている。赤い唇、鋭い眼、それには情熱がこもっている。