Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
ご殿女中が忍びやかに館の中へはいって行くのでお六も後から従いて行った。館の中は無数の部屋と無数の廊下とで織られていた。
「いったいここはどこだろう?」お六は益※(二の字点、1-2-22)不安になった。「どこへ妾を連れて行くのだろう?」
ここは木曽家の大奥なのであって、無数の部屋は局なのであった。そうしてご殿女中は玉章なのであった。
やがて二人は中庭へ来た。弓形をなした橋を渡ると、そこにまた一廓のご殿があったが、それぞ殿のご愛妾鳰鳥の方の住居であった。善美を尽くした幾個かの部屋のその一つの部屋まで来ると、気高いまでに美しい一人の婦人が立っていた。他でもない鳰鳥である。
「お連れ致しましてございます」
恭しく玉章は云った。
「それはご苦労」
と、鳰鳥は、じっとお六を見守ったが、
「見れば見るほどよく似ている」
「ハイそっくりでございます」
鳰鳥は一足進み出たが、
「お前の名は何んと云います?」
「ハイ」とお六は身を縮めながら、「あの、六と申します」
「どこの産れ? 云ってごらん」
「ハイ、上松でございます」
「そうして家の商売は?」
「ハイ、細工師でございます」
すると鳰鳥は頷いたが、さらにもう一度くり返した。