Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
ただし人界の者どもは、わしのことをいつともなく木食仙人と呼んでいる。ところで、世界に人は多いが、倶係震卦教の文言を、解き明すことの出来るものは、わし以外には一人もない。それには深い理由がある。しかしそれも今は云うまい。……それはとにかく十年前、楠多門正勝が、聖典探索に向かう際、わしは彼と約束をした。今や足利の武威衰え、世は苅菰の乱世である。いまこそ菊水の旗を挙げ、天朝を恢復すべき時である。もしその方に幸運あって聖典を得ることが出来たなら、中の迷語の解釈をこの老人が授けようとな。……その多門亡き今は、代わってそちに授けなければならない。何んと女子よ、多門の代わりに、倶係震卦教の奥義を極わめ、天朝恢復の大望に、加担を致す気はないかな?」
「はい」
と云うと鳰鳥は、一膝退がって大地に手をつき、まず恭しく一礼したが、
「妾こそは鳰鳥と申し、父を足利将軍のため、ムザムザ討たれたものにございます。もっとも直接の討っ手といえば木曽義明ではございますが、命を下したは足利将軍、されば妾の身にとっては、不倶戴天の父の仇。お言葉なくとも生涯の中には、一太刀なりと怨みたいと、祈っていたものでございます。