Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate

Aozora Bunko

美麻奈姫

領主の腕力は強かった。鳰鳥は寝部屋へ引きずり込まれた。

美麻奈姫

「何をなさいます! お放しなさりませ!」

鳰鳥は怒り且つ驚き、こう思わず悲鳴を上げた。

しかし好色の大物主は、容易に放そうとはしなかった。ギラギラ輝く眼の中には、淫蕩の気が充ち充ちている。美食と運動との賜物によって、彼の腕力は強かった。いかに鳰鳥が女丈夫でも、力の競争では勝てそうもなく、ジリジリと寝台の方へ引っ張られて行った。

その寝台には獣の皮があたたかそうに掛かっている。彼女がそこへ押し伏せられたら、彼女の処女性は穢されるであろう。その瑞々しく滑らかな肌は、男の汗で濡れなければならない。珊瑚を砕いて塗り付けたような、あの紅の唇も、男の唾で穢されなければならない。

大物主の腕力は、いよいよ力を強めて来た。手近のところに歓楽がある! いや歓楽は手中にある! 現在歓楽を握っている! 荒淫無惨の大物主は、全身火のように燃えていた。

泣こうが喚こうが鳰鳥は、遁がれることは出来そうもなかった。侍臣はニヤニヤ笑いながら、部屋の隅で眺めていた。たとえ助けを呼んだところで、誰一人助けには来ないだろう。