Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
血吸童子
血吸童子
夜は次第に更けて行った。丑満も既に過ぎ去った。おりから戸外の夜嵐が、ハタとばかりに途絶えたが、池の畔で物を洗う、幽かの水音が聞こえて来た。
と、三太夫が若殿に云った。
「妖怪いよいよ来申したぞ、心を確かにお持ちなされて、万事は老人の指図通り、その他のことは成り申さぬぞ」
「かしこまりましてござります!」
若殿はキッと決心した。
尚も水音は聞こえている。
「あれがすなわち探水知心、人心を探る一伝法じゃ。館の様子を探るのじゃ。それ故吾らは心を凝らして無念無想とならねばならぬ。さあさあ無想におなりなされい」
二人は端然と坐ったまま、虚無の境地に分け入ろうとその眼を堅く閉じたのである。
すると、その時、どこからともなく、人を呼ぶ声が聞こえて来た。
「若殿!」と鋭い人の声!
「誰じゃ!」
と思わず若殿はカッと眼を開いて返辞をした。その瞬間に水音が止み、夜が深々と更けまさった。
「残念のことを致したな。あらかじめ注意をしなかったのはこの老人の不覚であった――ただ今、若殿! と呼んだのは、すなわち敵の法術でござる。そこもとが思わず返辞たので、敵は館のこの中に、吾らのいることを知り申した。