Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
ふうむ」としばらく考えた。
その時、近く、初雁が、月夜の空を鳴き渡った。
「短冊を持て」と殿が云った。運ばれた短冊を手に取ると、すらすらと和歌を認めた。
つきよみの月の光にさそはれて
鳴くや雁音声もともしく
「ぶしつけながらご返歌をと、このように丁寧に申して参れ」
遊女はまたも短冊を持って若衆の室へはいって行ったが、やがて返歌を持ち帰った。
つきよみの月に更けたる大木曽を
音信れて鳴く天津かりがね
「水茎の跡もあざやかじゃ」殿は唸るように云い放った。
「しかし」とその時、赤ら顔の「傷のお方」が諂うように、
「風流の道は賢くとも、武道は疎かろうと存じます。武士の魂の刀など、どんなものを差しておらるるやら」
「問わず語りに聞きましたところ……」鳰鳥は少しく気色ばんで、傷のお方に云うのであった。
「あのお方様の腰のものは、正宗十哲の随一人、彦四郎貞宗じゃと聞きました」
「貞宗?」と、これにも驚いたように、白髯の殿は呟いた。「それなら立派な大名物じゃ」
「差している刀は立派でも、腕がなまくらなら役に立たん」傷のお方は嘲笑いながら、「よしよしそのうち試して見よう」
「そうじゃ、そのうち試してみやれ」