Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate

Aozora Bunko

消えてゆく獣の屍

一時に落雷したかのように釣瓶撃ちする鉄砲の音も声々に混って響いて来た。二人は愕然として飛び上がった。飛び上がり立ち縮んだ二人の眼前へそれにもまして奇々怪々の物凄い修羅場が展開された。

猪、狐、熊、鹿の群が谷の八方の山々から幾百となく現われて一斉に鋭い悲鳴を上げ、谷を目懸けて球のように転がり落ちて来るではないか!

幻でもなければ夢でもない! 今一匹の大熊が、脚に弾傷を負いながら、既に血迷った見えぬ眼で、数馬に向かって飛びかかった。と、数馬は身を反し、素早く太刀を引き抜いたが、切り付ける間さえあらばこそ、どこからともなく矢声がかかって、一閃、ピカリと光ったかと思うと、熊の月の輪に征矢一筋、背頸まで貫いて立っていた。

消えてゆく獣の屍

おりから今度は仔牛ほどもある、荒れ狂った一頭の手負い猪が、氷の川を一刎ね刎ねて武兵衛目懸けて襲って来た。頸の逆毛を針のように立て、射られた一眼に矢を折り掛け、二振りの剣と見惑うような二本の牙を喰いそらして雷光の如く突いて来た。

「どっこい!」

と、武兵衛はそれを見ると、体を一方へ捻ったが、片脚を上げて猪の腹を砕けよとばかり蹴り上げた。