Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
「不倶戴天の父の仇故!」
数馬は意気込んで云い放した。修験者はじっとその顔を鋭い目付きで瞶めたが、ウムと深く頷いて、
「そういう深い事情がござらば尋ね求めるが当然でござる。袖摺り合うも他生の縁、しからば拙者手引き致して坊主之助と引合わせ申そう」
「さようなればご貴殿には坊主之助をご存じか?」
「敢て一人坊主之助と云わず、花村甚五衛門家臣とある限りは、ことごとく動静は詳かでござる」
修験者は熱ある口調をもっていかにも堂々と云い放し、裸体武兵衛へ眼を向けた。
「さて、今度は裸体殿じゃ。そなた何処のお産まれじゃな?」
武兵衛はにわかに笑い出し、さも磊落に答えるのであった。
「産まれ在所もまた親も拙者はさっぱり知り申さぬ」
「これは不思議の答えじゃの。が、しかしそれはともかくも、何故に衣裳を纏わぬぞ」
「私の体はいつも熱く、着物着るのはかえって迷惑、それで年中裸体でござるよ」
「さてさて徳の体じゃの――して姓名は何と云うぞ」
「姓はござらぬ。名は武兵衛じゃ――年中裸体でいるために、裸体武兵衛と云われています」
それを聞くと修験者と荒武者はいかにも驚いたというように急に言葉を改めた。