Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate

Aozora Bunko

狼を連れた童子

数馬は無念とは思いながらどうすることも出来なかった。烈しい痛みを耐えながら、戦場をこれも出たのであった。

狼を連れた童子

里ある方へと足を引き摺り数馬はトボトボと下りて行く。

足は益※(二の字点、1-2-22)痛み出す。当たった時は驚いたものの、それほどでもないと思っていたのが、だんだん時を経るに連れて骨髄に透って耐え難い。彼はとうとう唸り出した。いかに勇士と云ったところで前髪立ちのまだ若衆。悲しい時には泣きもする。彼は涙をこぼしながら山を下って行くのであった。

一足ごとに疼く痛さ、それは全く弾傷よりも切り傷よりも烈しくて、果ては眼さえ眩み出した。

彼は精根を費い果たし、樹の根へとうとう腰を下ろし眼を閉じ奥歯を噛みしめた。身内に熱さえ加わってほとんど人心地もないのであった。

「死ぬかも知れぬ。死ぬかも知れぬ……」

彼は思わず呟いたがだんだん神気が朦朧となり、次第に吐く息さえ絶え絶えになった。

その時、間近で若々しい声で詩を吟う声が聞こえて来た。清らかな美しい声である。数馬はハッと眼を開き、甦ったような気持ちと共に声のする方をすかして見た。枯木林の木の間から仔牛ほどもある狼と一人の童子が肩を並べ彼の方へ悠々と歩いて来る。