Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
の中に裏切り者がどうやらあるらしいということだが……」
「いやその事なら聞いている」藤作は静かに頷いて、
「裏切り者の詮議を兼ね、敵の攻撃に備えるため、例年より早く皆の者に帰国を促されたということじゃ」
「ところで」と右衛門は声を潜め四方をグルリと見廻わしたが、
「ところで俺は裏切り者に一人目星を付けたんだがね……」
「ホホウ、そいつは何者だね?」
「手証をハッキリ見ていないので、こうこうと指しては云われないが、確かにそいつは裏切り者だ。もっともあれほどのご主君に弓を引こうと云うのだからその張本は他にあろうが、俺の目差したその野郎はそいつの手下に相違ねえ」
藤作はそう云う右衛門の顔を瞬ぎもせず見ていたが、
「手証を見なくとも大事ない。正直一図のお前のことだ。まさか中傷とも思うまい。その野郎の名を明かしてくれ」
云われて右衛門は腕を組みしばらく躊躇するらしかったが、
「どうも差しては云われない。と云うのはその野郎と日頃この俺とが不和だからだ」
「お前と不和の野郎と云えば、……ハハア読めた! 紋十郎だな!」
しかし右衛門は黙っていた。
「いや紋十郎ならし兼ねまい――ところでどういう手順からあの野郎に疑いを掛けたかな?」