Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
「それと云うのも他でもない、紋十郎とこの俺とが珍らしく同じ組になって、あちこち打って廻わったが、その間中俺に隠れて、仲間の者達を説いたそうだ『俺を信じて味方になれ。神保帯刀様に降るのだ。いつまでも香具師の身分では置かぬ。立派な侍に取り立ててやる』と、こう云って説いて廻わったそうだ」
「それだけ立派な証拠があったら疑いを掛けるのは当然だ。こいつはいいことを聞かせてくれた」
「俺は一番の百人長でお目見得には遠い身分だが父つぁんは立派なお目見得だ。折を見付けて父つぁんから殿様のお耳へ入れて貰いたいものと、こう思って知らせに来たというものさ」
「お目見得以下でも以上でも殿に尽くす道は皆一つだ。これからも充分心を配って裏切り者の動静を窃り探って貰いたいものだ」
「殿への道は自分達への道だ。気を付けて様子を探るとしよう」
右衛門が帰って行った後で藤作は一人で考えていた。
別天地の谿谷はいつも静かで、炉側で坐って考えている彼藤作の眼の前の縁を野兎がピョンピョン刎ねている。鶯の声が谷間で聞こえ森の茂みでは杜鵑が高音をかけて啼いている。
「こういう平和な土地に住んでも飽き足らない者があると見える」