Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
しかもあの方の命の大事!」
「何を馬鹿らしい。嚇したとてそれに驚く妾ではない! よくもよくも右衛門さんを、妾の手から奪ったな。弓掛の女の恋の怨み、どんなに強いか見せてやろう。この鎌喰って死ぬがよい!」
颯と打ち込む利鎌の光。ハッと島君は反わしたが、これも舞踊の利益である。
「さような女の怨みなど、恐れて恋が出来ようか。もうこうなれば二人の中、どっちか死なずば納まるまい。右衛門さんのお身の上、どうなるものか気にはかかれど、降りかかる火の粉は払わねばならぬ。そっちが鎌ならこっちはこれじゃ。喉笛刺されぬ用心しや」髪へ手を上げ笄を抜き、逆手に握って身を固めた。
人通り少い深夜の山に、闘う二人の恋の女! 風はあれど四辺寂しく、空には月さえ昇っていない。
死地に乗り込んだ右衛門と共に二人の女の運命こそ、風前の灯より浮雲いではないか。
嵐の夜
一人は鎌、一人は笄、お吉と島君とは恋と意地とで嵐吹き捲く山道を手探り足探りで命を懸けて闘っている。
今は二人とも物さえ云わぬ。ハッハッと呼吸を切らしながら合いつ放れつしているばかりである。
わけても島君の心の中は吹く嵐よりも乱れていた。