Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate

Aozora Bunko

甚五衛門はカラカラと哄笑した。それから粛然と云うのであった。

「と云ってもそち達若者にはこの方の申すことは解るまい。尚また右門、そちにとっては、いかに主君の命とあっても、可愛い許婚を取られては生きて行く精もあるまいし、それに山吹の身にとっても、末懸けた男と別れては、よも永らえてはおられまい」

甚五衛門はじっと二人の者を、思慮ありげに見守ったが、

「諸国は広い、木曽ばかりに、陽が射すものとも限っていまい。土地を見棄てて立ち去るがよいぞ」

「え」と右門は呆れたように、父の顔を下から見上げたが、

「これはお言葉とも思われませぬ。先祖代々お仕え致した木曽の館を振りすてて、遠い他国へ走るなどと、そのような卑怯忘恩の徒には、右門決して成りませぬ!」

「ほほう、立派な覚悟じゃな、覚悟ついでに山吹を殿のお側へ差し出すがよい」

「それは決して成りませぬ!」

「成らぬと申しても殿のご気象、山吹が館にいる限りは、そのまま許して置かれまいぞ」

「それではどうでも山吹を、殿に上げねばなりませぬか?」

「それが厭なら他国せい!」

「絶体絶命、この上は、山吹も上げねば他国もせぬ、腹切って殿をお諫め申す!」