Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
同じような旅装束。年恰好は四十あまり、ただし頭は総髪に取り上げ元結の代りに紫の紐でキリキリと髻を結んでいるのがいささか異様に思われた。
「ここら辺に自分以外にこんな侍がいようとは、全く夢にも思わなかった」――左陣は心で呟きながらそっちへ足早に近寄って行った。紫髻の侍は、するとクルリと身を翻えし、その辺に無数に立っている高い険しい巌を巡り奥の方へと進んで行く。自然左陣もその後から従いて行かざるを得なかった。
やがて一つの森へ来た。
斧の味を知らぬ原始の森は、その中へ踏み入るにしたがって一層威大な力を見せ、すなわち赫灼たる夏の日光さえその光を遮られ、森林の中は茫乎として宵闇の態を呈している。
森の底とも思われる辺りに一つの大岩が聳えていた。清水がチョロチョロ流れ出ている。
何より左陣を驚かせたのは清水の側、大岩の前に一枚の立派な猪の皮が何んの惜し気もなく敷かれてあり、その上に日常の器具調度が整然と並べられてあることであった。
紫髻の逞しい武士はここでようやく足を止めたが左陣を振り返ると愛嬌よく笑い、
「死んだ猪は喰い付き申さぬ。さあ遠慮なくお坐りなされ。