Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
「解らないなら解らないように穏しく引っ込んでいるがよい。それともたって知りたいなら、いと容易いことじゃ。この俺が、たった今そちに明かしてやる――よいか、当世というものは、襟もとに着くものが勝ちを得る。これが世渡りの秘伝なのじゃ。ところでお館の昨今は、殿悉くご乱行じゃ。しかるに我ら親子の者は、苦い虫でも噛み潰したように見たくもない顔ばかりして、ご諫言ばかり申しているので、殿の受けが眼立って悪くなった。これに反して洞院左膳は、お側に侍ってはお太鼓を叩き、美しゅうござるの艶かでござるのと鳰鳥殿ばかりを褒めているので、今日も拝領、昨日も拝領、拝領の太刀や絹巻物で庫が建たるという全盛。いかな無欲のこの俺でも、羨しくもなろうではないか。で俺は今日から宗旨を変えて、遅蒔きながら左膳を真似て殿にお太鼓をたたくつもり、心の変った俺にとっては、石地蔵のようなそちはかえって邪魔というのじゃ。だによって只今勘当する! ……アレアレ聞くがいい。裏座敷から、さも楽しそうな酒宴の囃子が、そそのかすように聞こえて来るわ! どれどれ拙者も向こうへ参って、鳰鳥殿の美しさでも殿のご前で褒めようぞ」