Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
年の頃は二十一、二、凡人とは思われない。
「そちの本名は何んと云う――」地丸は厳かにまず訊いた。
「いつから山寨へはやって来たぞ?」
すると若者は物憂そうに、またひどく腹立たしそうに、
「本名を聞いて何んにする。他人の名を聞いても仕方あるまい。無理に知りたくば自分から宣れ」――その態度は大胆でありその言葉には威厳があった。
「これはなかなか骨のある奴だ」地丸は心中感心したが、「では俺から宣るとしよう。山寨の主地丸左陣だ」
「俺は飛鳥井右京次郎だ」
「ほほうそうして、産まれ故郷は?」
「天子在す所、すなわち京都だ」
「ははあ、そうして身分は何んだ?」
「俺は伶人で笛を吹く。俺は歌人で和歌を作る。そうして俺は絵も描く」
「姓は飛鳥井、京都の産、伶人の身分で笛を吹く? 失礼ながら貴殿には、中納言飛鳥井公定卿のご縁辺ではござらぬかな?」地丸の態度は慇懃になった。
「飛鳥井公定は俺の父親だ」右京次郎は平然と云う。
「や、さては中納言家のご公達にて渡らせられたか」
「止せ」と、にわかに右京次郎は、皮肉な調子で遮った。「公達もない町人もない、武士もなければ百姓もない、ただあるものは一個の人間! これが俺の思想なのだ。