Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate

Aozora Bunko

「言葉を換えると安心立命」

「安心立命? ……それは夢だ」

「さよう、意志の弱い者には」

「ははあ、またそこへ来ましたかな」常氏はまたも笑ったが、「国土あっての安心でござる、財宝あっての立命でござる。国土財宝を捨てたなら乞食をせずばなりますまい」

「では乞食はお厭かな?」

「云うまでもない、大嫌いでござる」

「貧乏楽、貧乏楽、この境地が解らないと見える」

「自分一人が貧乏になり、何んでこの世が楽しかろう。世間では耳さえ貸しますまい」

「当分はそうかも知れませぬな」

「当分ではない永久でござろう」

「たとえ永久そうであろうと、拙者の遊説に変わりはござらぬ」

「失敗を見越しての遊説かな」

「事の成敗利鈍によって真理は累されませぬ」

「不可能の事は不可能の事じゃ」

「さよう、意志の弱いものにはな」

「またまたそこへおいでかな。まずそれはよいとして、兵は兇器と云いながら、四百人の兵を引率して横行致すは何んのためでござるかな?」

「いやこれは兵ではござらぬ。心ならずも自由を奪われた、世にも可哀そうな人夫達でござる。それを拙者が救い出し、ここまで同道したのでござる」

「今後はどうなさるお意りかな」