Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
由縁ありげの一巻
ツ――と二、三歩前へ出た。
由縁ありげの一巻
「あッ、浮雲ない! 斬られる斬られる!」鳰鳥は両手を握り締めた。
しかし斬られないその先に、老人はユラユラと左へ傾き、そこでしばらく持ち堪えていたが、精気全く尽きたと見え、前のめりに地に仆れた。それと見て取った四人の武士はチラリと顔を見合わせたが、つと同時に進み寄り老人の体を調べ出した。何かを見付け出そうとするらしい。
「ないぞないぞ! これは不思議!」
四人の中での頭らしい、片目潰れた四十年輩の武士が、こう云いながら立ち上がると、他の三人も立ち上がった。
「不思議だな、持っていない」
「目違いかな、奇怪千万」
「いよいよあれを持っていないとすると、無駄な殺生をしたものだ」
四人の武士は憮然とした。
「やむを得ない。退散としよう」片目の武士はこういうと刀をパッチリ鞘に納めた。
それから四人打ち揃い、木立の奥へ消え立った。
耳を澄ましてしばらく聞いたが立ち帰って来る気勢もない。で、鳰鳥は木蔭を出て老人の傍へ駈け寄った。頭を膝へかかげ上げ、
「ご老人ご老人!」と耳もとで呼んだ。「心を確かに! 傷は浅い! ご老人! ご老人! ご老人!」