Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
御嶽冠者
何故と申すに彼の髑髏盃は、数十年以前に異国からこの日本に渡り来った邪教の司僧の髑髏でござって、その盃に酒を注ぎ、血気に任せて我が君が、お用い遊ばしたその日から、木曽一帯に疫病が流行り、天変地妖相次いで、人々困難したため、我ら二、三の重役どもが、表面には件の盃を御嶽山の頂きに埋めたと云いふらし、実は窃かに宝蔵へ蔵い、盃を納めた唐櫃へは、八百万の神々を勧請して堅く封印を施したため、誰一人近づく事さえ出来ず、無事に今日まで参ったのでござる。我々二、三を除くの外は、館の侍も腰元もその盃の有所を存じておるものはござりませぬ……いかがでござるな鳰鳥殿! そもそもあなたは何人から、それをお聞きになられましたな?」
甚五衛門は膝を進め、きっと鳰鳥を睨みつけた。
鳰鳥の顔は蒼褪めた。そうして座にも堪えぬと見えて、黙ってスッと立ち上がった。
忠臣花村甚五衛門は、その裾を早くも抑えたのである。
御嶽冠者
「卑怯でござるぞ鳰鳥殿! どこへお逃げなされます!」
甚五衛門は荒々しくこう鳰鳥を引き止めた。
「私はどこへも逃げはせぬ。酒宴の席にも倦いたので、自分の部屋へ帰るまでじゃ」