Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate

Aozora Bunko

輿の中の獲物

と叫ぶ声と共に行方も知れず落ちて行った。

「あったら勇士を殺したわい」

頭領は断崖の縁に立って、黒暗々たる淵の底を小手をかざして見入った。

無残や山吹も捕らえられ、雪の地上へ押し据えられ、周囲を野武士達が守っている。

頭領はそっちへ近寄って行った。

「山吹殿とやらご覧なされたか。そなたの良人右門殿は自分から足を踏み辷らせ、断崖より川へ落ちられたからには、よもやお命はござるまい。尚またそなたは吾々の手にこう捕らえられた上からは、観念なさるがよろしかろう――それ各※(二の字点、1-2-22)この女性をいつものように処置なされよ」

「おお」と答えて三人の武士は山吹を横にひっ担いで飛鳥のように走り去った。

頭領は残った二人の武士に、二人の手負いを介抱させ、後から悠々と立ち去った。

輿の中の獲物

白皚々たる御嶽山は、暮れ行く夕陽に照らされて、薄紅の瑪瑙のように深碧の空に聳えている。

その雪山の山腹から麓の村まで一里あまりの、林や森や谷へかけて、数千に余る武士が、乱杭逆茂木幔幕を張り、粛然として備えていた。

御嶽冠者の軍勢である……。

間もなくトップリ陽が暮れると、陣屋陣屋で焚く篝火の紅の光が空を焼き蒼白い山々の雪を照らし、あたかも山火事のそれかのように四方数里の丘の谷を白昼のように輝かせた。