Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
「何を申すぞ、ええ讒言! 良人の生死も確かめず、むざむざ敵に捕われて、おめおめ賊砦へ参るような、不覚至極の妻なんどに逢いたいと思うこの右門か?」言葉をフッと途切らせたが、「さように不覚の女のこと、恐らく女の操なんども、とうに破られておろうわい!」さすがに声はうるんでいた。
「それは貴殿の考え違い」にわかに武者之助はさえぎった。「我らが主君御嶽冠者は仁義に厚き大将ゆえ、貴殿の妻女をよく憐れみ、陣の後方に侍女を付けて大切に住まわせており申す。賓客あつかいにしてござるよ」
右門はにわかに哄笑した。
「賊の張本御嶽冠者が仁義に厚い大将とな! 笑止千万かたはら痛い! 仁義に厚いものならば不義の盗賊は何故するぞ! 不義の盗賊をする限りは無恥残暴の人非人じゃ! 冠者を君子と称するならば、昔、唐の盗跖や、我が朝の熊坂、袴垂なんど、いずれも聖人君子であろうぞ! ワッハッハッ」とまた笑った。
大日武者之助はムッとして、
「正義か不義かその詮議は、空論ばかりでは形がつかぬ! 見ようによっては孔夫子よりも盗跖の方が義かもしれぬ。考えによっては義明公より冠者の方が仁かも知れぬ。