Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
「あッ」と悲鳴が空に起こり、鷲は地の上へ転げ落ち、姿が消えると思った瞬間、腕を射られた才蔵が渋面を作って起き上がった。
「イヒヒヒヒ」と気味の悪い老婆の笑い声が楠の木の蔭からその時不意に聞こえたが、やがてそこからノソノソと穢い皺だらけの老婆が現われ吹矢の筒を手に持って庵室の方へ近寄って来た。
「いい天気だね、お爺さん」
老婆は老人へ声をかけた。
「いい天気だな、お婆さん」
老人も老婆へ声をかけた。
「ほんとに悪戯の小僧だよ。喉仏でも吹き抜いて懲らしてやろうかと思ったけれど、お爺さんの大事の弟子だでな」老婆はニヤニヤ笑っている。
「腕の傷はかなり深いかな?」老人は顔を曇らせた。
「なんのなんの浅いでよ。二刻も経ったら癒るであろう」
「フーン、それで安心した」
二人はしばらく黙っていた。才蔵はそろそろと立ち上がって、きまり悪そうに首を下げ庵室の内へ逃げ込んだ。
老鶯が裏の林から時々のどかの声を洩らし、筧の水がトコトコと池の中へ絶えず落ちている。
「お爺さん」
と老婆は笑いながら、
「どうかの、今日は? やらんかの?」
「術くらべかな? やってもいいの」
「それじゃ用意をおしなされ」