Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
木曽の没落は眼前にありと、さてこそ今夜忍び入り、奥方を攫わんとなしたるところ、恨み重なる三太夫、汝のために見現わされ、かく囲まれし上からは、吾の命数極まったり、心まかせに討って取れ」
「さては汝は世に名高き御嶽冠者の手下よな! 実に盗人には似合いの主人、こう知る上は尚一層汝の命は助け難し。――かねての用意いざ方々!」
声を掛けるを合図にして、火薬の匂い鼻を突き、鉄砲を担いだ武者一団、ムラムラと庭上にあらわれた。その筒口は一斉に五右衛門の胸もとを狙っている。
一瞬の間に大盗の命、空に帰するかと思われたが、忽然虚空に声あって、孤鶴銀漢に啼くかのよう、哈々哈々と響き渡り、声ある空の一点から一団の火焔渦を巻いて、地上へ落ちると見る間もなく、五右衛門の姿は焔に包まれ、飄々翩々空に上ぼり、天主を越えると思ったが、忽ち空より声あって、
「お爺さんお爺さん、三太夫殿」
「残念!」と三太夫は空を睨み、「吹矢のお三に瞞されたか!」
「そうじゃそうじゃお爺さん! 吹矢のお三が吹筒に乗って、五右衛門を助けに来ましたわい。焔を纏った吹筒は竜じゃ! 一瞬千里を翔けて見しょう。矢でも鉄砲でも届かばこそじゃ」