Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
我らは決して敵ではなくかえって味方の者でござる。かく申す拙者こそ花村甚五衛門の嫡子にてすなわち花村右門でござる。嘘と覚さば本陣へ参って父甚五衛門へこの趣き至急お取り次ぎくださるよう」
さも勇ましく云うのであった。
鉄砲組はそれを聞くとすぐに伝令を走らせて甚五衛門へ告げ知らせた。
「何、右門が参ったとな」
甚五衛門は駒をあおって鉄砲組の陣まで来た。そうして向こうを屹と見たが、
「いかさま右門に相違ない――右門! 右門父であるぞよ!」
「おお、父上でござりますか、右門ただ今武者修行の旅より、立ち帰りましてござります」
「ちょうどよいところへ立ち帰ったぞ。右門、父はな、木曽のお館へ、こちらより主従の縁を切って、ただ今所領の中津の城へ、引き上げるところであったるぞ……右門、そなたは父の所業をよもや非難は致すまいな?」
「はッ」
と右門は首を垂れじっと考えに沈んだが、やがて涼しく顔を上げた。
「父上以外の他のご仁が、かかる所業を致しましたる時は、右門必ずその人物を反逆人と罵って切って捨つるに用捨ござりませぬ。しかし、父上、あなた様は、智勇兼備のお方でござって、私如き不肖の者には推量ることさえ出来ぬほどの大計略をお胸の中に絶えず蔵されておいでの筈ゆえ、その父上の行された所業の善悪是非の批評など、どうして私に出来ましょうや。