Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
どのように路が険しくとも歩み慣れた雲助商売! 私が案内致しやしょう。さあお出でなさいまし東条数馬殿!」
裸体武兵衛と数馬とは草鞋の紐を締め直し、数馬にとっては父の仇、武兵衛にとっては仕官の敵の坊主之助を討ち取ろうと朝陽を受けて煙り立つ恵那の高山を振り仰ぎ韋駄天のように走り出した。
恵那の前山を越えた頃から雪は次第に深くなったが猪狩りの軍勢の通った後だけに一筋道が出来ていた。二人はその道を上へ上へと汗を流して登るのであった。こうしておよそ二刻あまり山路で時を費したが、その時突然間近の峰から勇ましい鬨の声が湧き起った。
「向こうに見えるあの峰に、さては狩場があると見える。もう一走りじゃ、急ぎ申そう」
数馬は意気込んで云うのであった。
「若いに似合わぬ壮健の足並み、私の方が遅くれますわい」
武兵衛はカラカラと哄笑した。それから二人は無言のまま足を早めて馳せ登った。やがて峰まで行き着いたので二人は四方へ眼を配り狩場やあると見廻わした。
しかしそれらしい人影も縄張りらしいものもない。
荒狂う大熊
「勢子の姿が見えないとは何んとしても不思議のことではある」
数馬と武兵衛とはなお熱心に四辺の様子を見廻わした。