Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
てくださるように取り持たないものでもないけれどもな」
狡猾な企みを胸に隠して紋十郎は猫撫声で白痴の粂太をそそのかすのであった。
粂太はにわかに元気付き誓うように熱心に云うのであった。
「俺らお前の頼みを聞く。俺ら何んでもして見せる!」
「よし。そいつは有難い。依頼というは他でもない。お前はそういう人間だから――平ったく云やあ白痴いから皆の者が油断してどんな所へはいって行こうと叱る者もなけりゃ怪しむ者もない。そこがこっちの付け目なのだが、つまり吟味所へ忍び込んで、オースチン老師の絵図面を……」
「ああその絵図面をどうするんだい?」
「こっそり盗んで貰いたいのだ」
「そんな事ならいつでもやる。いと易いことじゃいつでもやる」
「そうか、そいつあ豪勢だ。それじゃきっと頼んだぞ」
「いいとも。俺ら頼まれた――その代わり俺らの頼みもよ」
「いいともきっと頼まれた」紋十郎はニタリと笑い、「そう決まったら早く帰って今夜はグッスリ寝るがいい。父が探していたっけよ」
「それじゃ俺ら帰るとしよう」
粂太は家の方へ帰って行った。
紋十郎は尚しばらく吟味所の様子を眺めていたが、内部の様子を知ろうとしてかピッタリ壁へ耳を付けた。