Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate

Aozora Bunko

鬼王丸は下座に着きまず恭しく一揖したが、

「これはこれはオースチン老師、市之丞殿に芳江姫、よくこそご来向くだされました。愚老こそは当城の主、鬼王丸にござります。なにとぞお見知りくださりますよう」

言葉にも態度にも実しやかな謙遜の態度が現われている。

すわこそ怨敵ござんなれと、意気込む市之丞、恐れる芳江、その両人を眼で抑えてオースチン師は膝を進めた。

「いやこれはご挨拶痛み入り申す。いかにも愚老はオースチンでござるが、決してよくは参りはしませぬ。何用あってかこのような所へ自ら好んで参りますものか。貴殿の手下の青母衣組どもが有無をいわさず我らを捉え、ここへしょびいて来たのでござるよ! 奇怪至極、迷惑千万! がしかしそれも過ぎ去った事、今さら仕方もござらぬが、ここは一つお頼みがござる。今すぐ我ら三人をここから出して戴きたいものじゃ! 身代金が入用とならば追って差し出さぬものでもござらぬ。いったい何ほどご入用かな!」

鬼王丸はそれを聞くと急いで笑って手を振った。

「何んの何んの身代金なんど! 方々は愚老にとりましても岩石ヶ城にとりましても、大切の賓客にござりますればさようのことはお心にかけず、ゆるりとご逗留くだされますよう」