Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
寒気は文字通り凛冽である。
送るものと送られるもの、――大勢の軍兵に囲繞された左陣とお銀の一団は、こうして高原を東へ東へと半刻余り進んで行った。
その時、行手の闇の中へ一点の焔が現われた。続いて二点、三点、やがて続々と現われたが、見る見る中に雪の高原は焔の海と一変した。
一陣、二陣、三の陣と、次第次第に人数を増し、最後の四陣は旗本でもあろうか、整斉として屯ろした様子はまことに堂々たる兵法と云うべく、到底山賊野武士などの陣備えとは思われない。完全に左陣とお銀とは四方を包囲されたのであった。
ドンドンと前面の本陣から太鼓の音が響き渡った。それを合図に数十人の武者が一人の騎馬武者を真丸に包み、タッタッタッタッと走って来たが、此方二人の前まで来ると、ピタリとばかり立ち止まった。
前立打ったる冑を冠り、白糸縅の大鎧を着、薙刀を抱い込んだ馬上の武士――それこそ地丸左陣である。
「あいやお使者、木曽家のお使者、我らに何んの挨拶もなく何故お立ち退きなさるるな。不思議千万奇怪の至り、武士の作法にも悖ってござるぞ!」
大音声に呼ばわった。しかしその声には愛嬌があり且つ少しも威嚇的でない。