Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
そしてその御像を讃えるための百人あまりの衆僧が、朱色の法衣を纏った姿で讃美の歌を唄っている。その衆僧の真っ先には、紫の法衣を身につけた際立って尊い一人の僧が香炉に香を投げている。
それが一座の司僧らしかった。
と、不意に紫衣のその司僧が、鳰鳥の方へ振り返った。そして優しく笑いかけた。優しい司僧の笑顔を見ると鳰鳥は思わず叫んだのである。
「尊い尊いお司僧様!」と。
すると司僧はまた笑って、
「私はお前のお父様じゃ!」
「私のお父様でございますって?」
「そうじゃお前のお父様じゃ。そしてお前はこの私をこれまでも度々見た筈じゃ」
「見たような気持ちも致します」
「お前は度々この世から息を引き取った事があろう?」
「これまで度々ございました」
「そしてお前は死んでいながら、一人の坊様を見た筈じゃ。その坊様がこの私じゃ」
「そう云えば大変似ておられます……それにしてもお父様、いったいここは、何んという所でございます?」
「ここは日本の土地ではない。元お父様の住んでいた西班牙という国なのじゃ。その西班牙の会堂なのじゃ。お前のお父様のこの私は、日本に渡らぬその前はこの会堂の長であった。