후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
金兵衛走る
「偉いことになったぞ、大変だあ!」と、代官松と乾児の猪吉とが、立ち去った後の木立ちの背後で、声を上げて地団太を踏み出したのはお粂の相棒の金兵衛であった。いつのまにそこへ来ていたのであろうか? 今日の夕方お粂と一緒に水戸様石置き場の空屋敷へ、常連として来たのであったがまもなく姿を現わしたのが、お粂の恋している山県紋也で、それと見るとお粂は金兵衛のことなど、見返りもしないというように、むしろ金兵衛を邪魔のようにして、紋也とばかり親しそうにした。で、金兵衛には面白くなかった。
「へ、山県様、山県様、へ、紋也様、紋也様、紋也様ばかりを追いまわすがいい。お粂さんには面白かろうが、金兵衛さんにはおかしくもないて。……それもさ、山県紋也さんのほうでも、姐ごを想っているのならいいが紋也さんのほうではさほどでもなくて、どっちかといえば逃げまわっている。それだのに姐ごはカラ夢中だ。紋也様、紋也様、紋也様! まるで紋也様が福の神で、札の束でもくわえて来るように、追っかけおんまわしひっ捉えようとしている。気に入りませんね! 気に入りませんとも」
――で金兵衛は一人離れて、屋台店をのぞいたり、私娼宿の女をからかったり、賭場に立ち入って見物をしたり、ここの境地をずっと以前から、あてもなしに歩きまわっていたところ、にわかに四方が騒がしく