轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
「小説公園」六興出版社、1950(昭和25)年新春号~1952(昭和27)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 页
いずれも、白粉まだらで、髪油くさい、そして、呉越の客に、一夜妻として、もてあそばれ果てた――摺れからしの裡に哀愁の影のある――女たちでない者はない。
もっとも、客も客だった。
純友や、秋茂などにいわせると、
「瀬戸内の、鞆ノ津や、室ノ港などの女は、これよりは、もっと、品が落ちる。……やはり、江口の君たちには、どこかまだ優雅なところがある――」のだそうで、いずれも、その夜は、満悦のていだった。
七人は、一楼に上がって、宵から夜半まで、飲みつづけた。
踊りもし、歌いもし、およそ遊ぶ手だてが尽きるほど、遊び呆うけた。
「ああ酔った。こんなに、飲んだことはない――」
小次郎は、眼まいを覚えて、ぶッ仆れた。そのまま前後不覚に寝入った。……そして、ふと眼をさました時は、川や海に近い水郷の常として、そこらの壁や、夜の具まで、じっとりと、水気をふくみ、自分のそばに、もひとり黒髪をみだしたものが寝くたれていた。
夜は白んでいるが、カタともせず、家の中はまだ夜である。――正体なく、そばに寝ている女は、ゆうべ、酒席にいた遊女のひとりに違いあるまい。が、小次郎は、初めて、見る女のように、ぎょっと、寝顔に眼をみはった……。