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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
吉川英治『三国志(三)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 页
そのうちに、※(「灰/皿」、第3水準1-88-74)がちぎれたはずみに、二人とも、勢いよくうしろへ仆れた。
孫策の※(「灰/皿」、第3水準1-88-74)は、太史慈の手にあった。
また、太史慈の短剣は、孫策の手にあった。
ところへ――
劉※(「鷂のへん+系」、第3水準1-90-20)の騎兵が殺到した。
同時に、
「君の安危やいかに?」と、孫策の部下十三騎の人々もここへ探しあてて来た。
当然、乱軍となった。
しかし衆寡敵せず、孫策以下の十三騎も、次第に攻めたてられて、狭い谷間まで追いつめられたが、たちまち、神亭廟のあたりから喊の声が起って、一隊の精兵が、
「オオ。救えッ」
と、雲のうちから馳け下って来た。
――われには神の加護あり……
と、孫策がいったとおり、光武帝の神霊が、早くも奇瑞をあらわして味方したもうかと思われたが、それは彼の幕将周瑜が、孫策の帰りがおそいので、手兵五百を率いてさがしに来たものだった。
そしてすでに陽も西山に沈もうとする頃、急に、黒雲白雲たちこめて、沛然と大雨がふりそそいできた。
それこそ神雨だったかも知れない。
両軍、相引きに退いて、人馬の喚きも消え去った後、山谷の空には、五彩の夕虹がかかっていた。