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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

吉川英治『三国志(三)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 页

青空文庫

二

「そうだ。……北隣の憂いといえば小沛の劉備と、徐州の呂布だが」

「小沛の劉備は小勢ですから、踏みやぶるに造作はありませんが、呂布がひかえています。――そこで謀計をもって、二者を裂かねばかかれません」

「いかにして、二者を反かせるか」

「それは易々とできましょう。ただし、先にご当家から呂布へ与えると約束した兵糧五万斛、金銀一万両、馬、緞子などの品々を、きれいにくれてやる必要がありますが」

「よし、やろう」

袁術は、即座にその説を取り上げた。

「やがて、小沛と徐州がおれの饗膳へ上るとすれば、安い代価だ」

先に、劉備と戦った折、呂布へ与えると約束して与えなかった糧米、金銀、織布、名馬など、莫大なものが、ほどなく徐州へ向けて蜿蜒と輸送されて行った。

呂布の歓心を求める為に。

そして、劉備を孤立させ、その劉備を屠ってから、呂布を制する謀計であることはいうまでもない。

二

呂布も、そう甘くはない。

「はてな、今となって、あの袁術が、莫大な財貨を贈ってきたのは、どういう肚なのだろう」

もとより、意欲では歓んだが、同時に疑心も起した。

「陳宮、そちはどう思う」

腹心の陳宮に問うと、