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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

吉川英治『三国志(三)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 页

青空文庫

三

「謀士賈※(「言+栩のつくり」、第3水準1-92-6)さえ、ああ云うくらいだから、見込みはない」

脱走して、他国や郷土へ落ちてゆく兵がぼつぼつ殖えだした。

そういう兵には、

「おまえたちの忠節は、天子もお知りになっておる。時節を待て。そのうちに、触れが廻るであろうから」と、云いふくめた。

一隊、一隊と、目に見えて、李※(「にんべん+確のつくり」、第4水準2-1-76)の兵は、夜の明けるたび減って行った。

賈※(「言+栩のつくり」、第3水準1-92-6)は、ほくそ笑んだ。そしてまた、或る時、帝に近づいて献策した。

「この際、李※(「にんべん+確のつくり」、第4水準2-1-76)の官職を大司馬にのぼせ、恩賞の沙汰をお降し下さい――目をおつぶり遊ばして」

三

李※(「にんべん+確のつくり」、第4水準2-1-76)は、煩悶していた。夜が明けるたび営中の兵が減って行く。

「なにが原因か?」

考えても、分からなかった。

不機嫌なところへ、反対に、思いがけない恩賞が帝から降った。彼は有頂天になって、例のごとく巫女を集め、

「今日、大司馬の栄爵を賜わった。近いうちに、何か、吉事があると、おまえ達が預言したとおりだった。