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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

吉川英治『三国志(三)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 页

青空文庫

五

だから急に、査涜を攻めれば、王朗はだまって見ておられまい」

「ごもっともです」

孫策は、叔父の説をいれた。その夜、陣所陣所にたくさんな篝を焚かせ、おびただしい旗を立てつらね、さも今にも会稽城へ攻めかかりそうな擬兵の計をしておいて、その実、査涜へ向って、疾風の如く兵を転じていた。

五

擬兵の計を知らず、寄手のさかんな篝火に城兵は、「ぬかるな! 襲って来るぞ」と、眠らずに、防備の部署についたが、夜が白んで、城下の篝火が消えて見ると、城下の敵は一兵も見えなかった。

「査涜が襲われている!」

こう聞いた王朗は、仰天して城を出た。そして査涜へ駆けつける途中、またも孫策の伏兵にかかって、ついに王朗の兵は完膚なきまでに殲滅された。

王朗は、ようやく身をもって死地をのがれ、海隅(浙江省・南隅)へ逃げ落ちて行ったが、厳白虎は余杭(浙江省・杭州)へさして奔ってゆく途中、元代という男に酒を飲まされて、熟睡しているところを、首を斬られてしまった。

元代は、その首を孫策へ献じて、恩賞にあずかった。

こうして、会稽の城も、孫策の手に落ち、南方の地方はほとんど彼の統治下になびいたので、叔父、孫静を、会稽の城主に、腹心の君理を、呉郡の太守に任じた。