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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

吉川英治『三国志(三)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 页

青空文庫

――で、互いに顧眄の心があるので、敵ながらすぐ弓や戟に物をいわせようとせず、二、三の問答を交わしているうちに、下のほうから高順、侯成が助けにきてくれたので、張遼は危ういところで虎口をのがれ、無事城中へ帰ることができた。

――だが、その後。

淮南に着いて、袁術に謁し、呂布の書簡を呈してやがて戻ってきた許、王楷の二使は、そうは行かなかった。

袁術に会見しての結果は、まず成功のほうだった。二使も外交的な才弁をふるって大いに努めたので、袁術は、

「呂布は、反覆常なく、書簡の上だけでは、とうてい信用できかねるが、もしこの際でも、愛娘を送ってくるほどな熱意を示すならば、それを誠意の証とみとめて、朕も国中の兵をあげて救けつかわすであろう」と、いう返辞だった。

二使は、大よろこびで、道を急いで帰ってきたが、二更の頃、関所の辺を駈け通りに駈け抜けようとすると、

「夜中に、馬を早めて行くは何者の隊だ」と、張飛の陣にさとられて、たちまち包囲されてしまった。

二使の守りについていた萌は、張飛に出会って、馬上から組み落され、高手小手に縛られて、捕虜になってしまった。

五百の兵も虱つぶしにあらましは討たれたが、僥倖にも乱戟混戦の闇にまぎれて、許※(「さんずい+巳」