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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
吉川英治『三国志(三)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 312,452 字 · 628 页
と、席へ告げた。
曹操は眼の隅からちろと玄徳の面を見たが、
「オ。満寵が帰ったか。すぐここへ通せ」と、いいつけた。
やがて満寵は、侍臣にともなわれて、席の一隅に起立した。曹操は、
「河北の情勢はどうか。袁紹が虚実をよく視てきたか」と、その報告を求めた。
満寵は答えて、
「河北には、別して変った事態も起っておりませんが、北平の公孫は、袁紹のために亡ぼされました」
聞いて驚いたのは座にあった玄徳である。
「えっ、公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)が亡ぼされましたと。あれほどな勢力地盤を有し、徳も備えた人が、どうして一朝に滅亡を遂げたものか……ああ」
儚げに嘆息して、手の杯も忘れている様を見て、曹操は、怪しみながら、
「君は、何故そのように、公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)の死を嘆じるのかね。わからんな予には――興亡は兵家の常じゃないか」
「それはそうですが、公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)は年来親しくしているわたくしの恩友です。かつて、黄巾の乱のはじめ、貧しき中に志をたて、まだろくな武備も人数も持たない私は、関羽、張飛のふたりと共に、乱におもむく公孫※(「王+贊」