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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

あまり妙な質問なので長岡先生は本を撫でながら苦笑しておられる。すると横から佐野先生が飛び出して、「君、それはね、それは」と言いながら黒板の前へ出て行かれて、「電子はね、この途中は飛び越してこの軌道の所へきてしばらくまごまごしている間に光を出すんです、ここでちょっとまごまごするんです。これは本当です」と、チョークで黒板を叩きながら電子のまごまごしている姿を見せるつもりらしい。先生は「定常軌道の考え方からして、軌道の上で光を出しては困る。根本概念に矛盾するから」となかなか納得されない。するとT博士がのっそりと立ち上って、「それは、そのう、電子が出る時にあるタンゼントを持って出て行って、ヘリックスかなんか描いて行くとすると、タンゼントの角によってνも決まり、どの軌道へ行くかも決るとするとよい理由ですが」といわれる。先生は「そんな人為的な考えはどうも困る」となかなか頑強である。

この頃になってみれば、このボーアの理論は今の量子力学などから見ると大変やさしいものになっている。やがては今の量子力学にも皆が馴れて、小学生がラヂオをいじるように気楽に親しまれる日がくるかも知れない。