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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
しかし世界中から集った若い連中が持ち寄った色々の小さい知識がだんだん集積して、一つの伝統となってこの実験室に残っているので、少し教室の空気に馴れると誰でも一人でどんどん実験が進められるようになっていた。
それにこの実験室には、R君という大学出でない旧い助手が一人いてその男がこの旧くからの知識の集積を司り、一方プロフェッサーとの間の連絡をつとめていた。なかなかのガッチリ屋で皆にあまり好かれていなかったが兎に角用は完全に弁じていた。このR君は毎日夕方その日にきた手紙や別刷などを纏めては先生の家に届けることになっていた。それでプロフェッサーに用事がある時はR君に伝言を頼めば直ぐに用が達せられるのであった。
仕事が一段落になるとその由をR君がプロフェッサーに伝える。そうすると何日何時頃家へこいという手紙がくるのが普通であった。大抵の場合は丁度御茶の時間に間に合うようになっていた。英国での生活の経験がある人は誰でも一度は驚くのであるが、この御茶というのは倫敦人には毎日絶対に必要な行事なのである。私はある夕食の時宿の夫人から今日の御茶はどこだったかと聞かれたことがあった。