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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

それを裏返しに畳の上に並べるのである。そして畳一畳位に一杯に並べられたその悠長に大きい歌留多を、かわりがわりに一枚ずつ開けて行くのである。競技の方法は全く忘れてしまったのであるが、向日葵に大きい日輪のあるのが一万点、月見草に青い月の出ているのが五千点という風にして勝負を決めるので、余り巧劣によらない暢気な競技であった。しかし絵だけは、昔の有名な画工の筆になったものだそうである。このような場合にも、御前様は決して自分で競技に加わられるようなことはなかった。

御正月や、大殿様が御帰りになった時には、よく一同に御飯を下された。旧藩士の人達はちゃんとした袴を着けて、端然として一列に並んでいた。今から考えてみると、随分舞台めいた感じだったのであろうが、その頃の私には、極めて自然的な印象しか与えていなかったようである。そして今の吾々には珍しい習慣であろうが、人々が御殿で飯を戴く時には必ず両肘を膝の上につけて、深く身を曲めたまま食事をすることになっていた。Mの祖父や祖母は、それが全くの習慣になっていたものとみえて、家でも毎日必ずそのような姿勢のままで食事をしていた。