轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しのげんり

詩の原理

萩原 朔太郎

「詩の原理」第一書房 、1928(昭和3)年12月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 153,641 字 · 305 页

青空文庫

日本の浮世絵の表現も、同じく本質に於て象徴主義で、西洋の油画と根本的にちがっている。しかし能と歌舞伎劇とを比較する時、後者がより写実的であるように、他の南画や支那風の墨絵に比して、浮世絵がより写実的であるのは争われない。そしてこの点から、浮世絵の程度の象徴主義が、漸くそれの媒介で西洋へ輸出された。換言すれば西洋人は、日本の浮世絵の刺激から、始めて象徴に目が覚めたのだ。

西洋に於て、始めて象徴主義が意識的に自覚されたのは、最近十九世紀末葉のことであった。しかも同時に前後して、芸術の二つの群から主張された。即ち一は詩壇に於けるマラルメ等の象徴派で、一は美術界に於ける後期印象派の運動である。この後の者について言えば、彼等の美学は明らかに日本の浮世絵から啓示されてる。それは物の形体を見ずして本質を見、部分のデテールを描写しないで、直ちに物それ自体の実有相を表現する。特にこの派の巨匠の中、セザンヌは観照に於て最もよく徹底している。彼は物質の本有する形態感、重量感、触覚感等のものを、絵画によって三次元的の空間に描こうとした。吾人は彼の描いた一つの椅子から、すべての物質に遍する本有の実在を直覚する。