Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
黙然と首を垂れて――むしろ不審そうに二人の顔を見くらべるのだった。
沢庵は、ここぞと膝を向けて、
「どうじゃな武蔵、同じ捕まるものならばわしの法縄に縛られぬか、国主の掟も法だし、仏の誡めも法だが、同じ法は法でも、わしの縛る法の縄目のほうがまだまだ人間らしい扱いをするぞよ」
「嫌だ、おれは」
奮然と首を振る武蔵の血相を、宥めて、
「まあ聞くがよい。舎利になっても反抗してやろうという、おぬしの気持はわかる。だが、勝てるか」
「勝てるかとは」
「憎いと思う人間どもに――領主の法規に――また自分自身に、勝ちきれるか」
「敗けだ! おれは……」
うめくようにいって、武蔵は、悲惨な顔を泣きたそうに顰めた。
「最後になったら、斬り死にするばかりだ。本位田の婆や、姫路の武士どもや、憎い奴らを、斬ッて斬ッて、斬り捲くッて」
「姉は、どうする」
「え?」
「日名倉の山牢にとらわれているおぬしの姉――お吟どのはどうする気かな?」
「…………」
「あの気だてのよい、弟思いなお吟どのを……。いや、そればかりか、播磨の名族赤松家の支流平田将監以来の新免無二斎の家名をおのれは、どうする気か」
武蔵は、爪の伸びた黒い手で、顔をおおって、