Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
三
武蔵は、城内を踏んで、柳生家というものの認識に、想像以上な厚味と歴史を感じるのだった。
「さすがに」
事ごとに頷かれるのである。
たとえば、大手からここまでの間の清掃された道を見ても、応対する番士のもの腰でも、本丸のあたりの厳粛なうちにも和やかな光のある燈火をながめても。
それはちょうど、一軒の家を訪れて、その家の上がり口に履物をぬぐとたんに家風と人とがほぼ分るようである。武蔵は、そうした感銘もうけながら、通された広い床へ坐った。
新陰堂には、どの部屋にも、畳というものは敷いてなかった。この部屋も板敷である、そして、客なる彼へは、
「どうぞ、おあてなされ」
と小侍が藁で編んである円座という敷物をすすめた。
「頂戴する」
遠慮なく、武蔵はそれを取って坐った。従僕の城太郎は、勿論、ここまでは通らない。外の供待でひかえている。
小侍がふたたび出て、
「今宵は、ようこそお越し下さいました。木村様、出淵様、村田様みなお待ちかねでございましたが、ただ庄田様のみが、生憎と突然な公用で、ちと遅なわりまするが、やがてすぐ参られますゆえ、暫時お待ちのほどを」
「閑談の客でござる、お気づかいなく」