Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

四

四

「ホホホ。庄田様、それはあべこべでございます」

「なぜ」

「わたくしは、外から呼ばれて参っている笛吹きの女、あなたは柳生家の御用人さま」

「なるほど」

喜左衛門も、おかしくなったが、

「しかしここは、大殿だけのお住居、そなたはべつなお扱いじゃ――とにかくお取次を」

「はい」

と、奥へ行ってすぐ、

「どうぞ」

と、迎え直す。

お通の縫った頭巾をかぶって、石舟斎は茶室に坐っていた。

「行って来たか」

「仰せのように致して参りました。ていねいに、お言葉を伝え、お表からとして、菓子を持参いたしました」

「もう立ったか」

「ところが、てまえがお城へ戻るとまた、すぐ追いかけて、旅籠の綿屋から書面を持たせてよこし、折角の途上、曲げても、小柳生城の道場を拝見して参りたいから、明日はぜひとも、城内へお訪ねする。また、石舟斎様にも親しくお目にかかって、ごあいさつしたいというのでござります」

「小せがれめ」

石舟斎は舌打ちして、

「うるさいの」

不興な顔をした。

「宗矩は江戸、利厳は熊本、そのほか皆不在と、よくいったのか」

「申しましたのです」

「こちらから、鄭重に断りの使者までつかわしたに、押しつけがましゅう、強って訪ねてくるとは、嫌な奴だ」